「緊急事態宣言に備えて」

2020/04/15

 こんにちは!
 スウェーデン歯科こくふ 院長の内藤 禎人(ないとうよしひと)です。

 すみません、今日は長文です。

 新型コロナウイルスの猛威も長期戦の様相を呈しております。

 お隣の香川県では県独自の判断で緊急事態宣言が出され、高知県ではクラスターが頻発するなど、徳島県にも暗い影が忍び寄ってきていると感じている方も多いと思います。

 近日中に徳島県でもそのような状況になることは避けられないと考えており、有事に備えた準備をわたしたちはしております。

 もちろん、何も起こらなくて、後から準備やりすぎたけどねって笑い話になるのが一番いいのですけどね。

 連日、ニュースで何人の感染者が出た、何人死者が出た、そしていくつものクラスターが起こったということを耳にします。

 それは、今のところ、徳島県以外の地域や外国で起こっている話です。そしてあくまで、4月15日現在の話です。

 つまり、最初は中国が、次はイタリア、フランス、スペインなどの欧州諸国が、そしてアメリカが、さらには日本の東京や大阪などの都心部が、何とか食い止めて時間を作ってくれました。

 この間に、いろいろなデータが出そろい、対策が可能となったわけです。

 もちろん未知のウイルスに対するデータですから、不完全なものもあります。

 ただ、わたしたちには準備する術と時間がありました。

 わたしたち、歯科医院としてできることは、一日に診察することのできる患者数を制限することで、これまで以上の感染予防策を講じた縮小診療を行い、来院される患者さんと私たちの交叉感染をゼロにすることです。

 決して医療機関がクラスターになるようなことがあってはなりません。

 そのためのご協力を当院に来院されるみなさまにお願いしたいと思います。

 まず、熱や倦怠感などの新型コロナウイルス感染が疑われる症状をお持ちの方は、症状によっては診療スケジュールの見直しをさせていただく場合があります。そして、必ず保健所や帰国者・接触者相談センターに相談し、指示を受けていただくようお願いいたします(4月1日のお知らせ「新型コロナウイルスに対する当院の姿勢」を参照ください)。

 体調に問題のない方におきましても、厚生労働省から、この時期の歯科治療に関しては、歯科医師の判断で応急措置にとどめることや、緊急性のない治療の延期なども考慮するよう文書にて求められました(https://medical.jiji.com/news/30633)。

 そこで、どのような治療が緊急性があって、どのような治療は延期の対象となるのでしょうか。

 日本よりも先に医療崩壊に直面し、歯科分野においても窮地に立たされているアメリカでは、ADA(アメリカ歯科医師会)のホームページにその対象が列挙されています(https://success.ada.org/~/media/CPS/Files/Open%20Files/ADA_COVID19_Dental_Emergency_DDS.pdf?utm_source=adaorg&utm_medium=covid-resources-lp&utm_content=cv-pm-emerg-def&utm_campaign=covid-19&_ga=2.143868348.840317311.1586361194-36776472.1586361194)。

 以下に列挙します。
 1.生命を脅かす可能性があり、進行中の組織出血を停止し、激しい痛みや感染を緩和するために直ちに治療する必要がある歯科的緊急事態。
 ・制御できない出血
 ・蜂窩織炎または、口腔内または口腔外の腫脹を伴う、びまん性軟部組織細菌感染症(これらは患者の気道を危険にさらす可能性がある)
 ・顔の骨を含む外傷で、患者の気道を損なう可能性がある

 2.激しい痛みや感染のリスクを軽減し、病院の救急部門の負担を軽減するために、行う緊急歯科治療。
 ・歯髄の炎症による激しい歯の痛み
 ・智歯周囲炎または第三臼歯の痛み
 ・手術後の骨炎、ドライソケット
 ・膿瘍、または限局性の細菌感染による痛みと腫れ
 ・歯の破折により痛みが生じたり、軟組織の外傷を引き起こしたりするもの
 ・剥離や脱臼を伴う歯科外傷
 ・重要な医科手術の前に必要な歯科治療
 ・一時的な修復が失われたり、壊れたり、歯肉の炎症を引き起こしたりした場合の、最終的なクラウンやブリッジのセメントによる固定
 ・異常組織の生検

 3.その他の緊急歯科治療
 ・広範なむし歯または痛みの原因となる修復の欠陥
 ・可能な場合は暫定的な修復手法で管理する(フッ化銀ジアミン、グラスアイオノマー)
 ・縫合糸の除去
 ・放射線、腫瘍患者の義歯調整
 ・義歯の調整または修理
 ・患者が痛みを経験している、根幹治療開口部への仮封
 ・口腔粘膜に傷をつくる矯正用ワイヤーまたは器具の切り取りや調整

 つまり、非常に困った状況になった場合は、電話で予約を取っていただいてお越しください。万全の感染予防対策を持ってお迎えいたします。

 また、4月に入ってから来院された患者さまにはお話をしておりますが、近い将来痛みが出そうなむし歯治療を終えた方は、進行の遅いむし歯が残っていたり、少し適合の悪いかぶせ物があったとしても、治療を先延ばしにしましょうという説明をさせていただいたと思います。

 スウェーデン歯科こくふに通っていただいている患者さまは、歯科衛生士によるブラッシング指導、実地指導を受け、これまでよりも飛躍的にセルフクリーニングの腕が上がっております。つまり、少々定期検診や次の治療が先延ばしになっても口腔内の状態が悪化しないための武器を手に入れております。したがって、この時期は無理のないように通院くださいとお伝えしております。

 今回、近い将来、徳島県でも緊急事態宣言が出るのでは、と想定し、その時に向けていろんな準備をしているというお話をしました。院内での感染リスクを限りなくゼロにするための準備です。それはつまり、厚生労働省やアメリカの歯科医師会からの提言にあるように、診療を制限することにもつながってまいります。しばらくの間ご不便をおかけしますが、ご理解、ご協力よろしくお願いいたします。

 スウェーデン歯科こくふ 院長 内藤 禎人